1日1杯飲んだ方がいい。しかし、飲みすぎれば、腹をくだし、カロリーも馬鹿にならない。
絶妙なバランス感覚が要求される我々の身近な飲料。
甘くするのは構わないが、決して甘く見てはいけない。
日本書紀に「牛酒」という記述が見られるため、弥生時代より飲用されていた可能性がある。 一般には560年に百済の智聡が日本に来た際に持ってきた医薬書に搾乳などについての記述があり、これによって広まったとされる。
食物としての乳の利用は、動物の家畜化とともに始まった。ウシの乳が飲料として最初に利用されたのは中東においてである。ヤギ、ヒツジが家畜化されたのも、紀元前8000?9000年の中東であった。ヤギと羊は反芻動物であって、乾燥した草を食べることに適応した哺乳類である。このような草は、人間にはそのまま利用できないが、蓄積が容易である。当初、動物の飼育は、食肉および衣服製作のために行われたと思われる。しかしのちに、耕作されていない草地を食料源として利用するためには、より効率的な酪農という方法が存在することが明らかになった。ある動物を肉のために殺すとする。その栄養価は、たとえばその動物から1年間にとれる乳と同等かもしれない。しかし生きていれば、その動物からはさらに何年ものあいだ乳がとれるし、1頭まるまるの肉とちがって、乳は1日1日にちょうど利用しやすい分量だけ使うことができるのである。
紀元前7000年頃、トルコの一部でウシの遊牧が行われていた。新石器時代、ブリテン諸島で乳が利用されていた証拠が見つかっている。チーズとバターの利用はヨーロッパ、アジアの一部、アフリカの一部に広まった。ウシの畜養はもともとユーラシア的な習慣であったが、 大航海時代以降、世界に広がるヨーロッパ諸国の植民地に導入された。
西洋では今日、ウシの乳(牛乳)がひとつの産業として大規模に生産されている。これによって、西洋諸国における乳の利用はかつてないほど一般的になった。先進国では、自動化された搾乳設備をもつ酪農業者によって、その大部分が生産されている。牛の品種のあるものは、ホルスタインのように、牛乳生産量の向上に特化して改良された。マクジーによれば、アメリカの乳牛の90%、イギリスの乳牛の85%がホルスタインである。アメリカの代表的な乳牛品種は、ホルスタインのほか、エアシャー、ブラウンスイス、ガーンジー、ジャージー、ミルキング・ショートホーンなどである。今日、乳製品と牛乳の生産量が最も大きい国はインドで、これにアメリカとニュージーランドが次ぐ。